夢がひとつならば星はいくつだろう

ハシビロコウさん

いま東京は梅雨の晴れ間です。

どのような情景が思い浮かぶでしょうか。

 

青い空に白い雲が輝いているかもしれません。

そろそろ学校帰りの子どもたちの賑やかな声が聞こえてくるかもしれません。

少し湿気をふくんだ南風がひんやりと頬をなでて心地よく感じるかもしれません。

夕食のしたくをはじめた隣家から美味しそうな匂いが届くのかもしれません。

そして懐かしい家庭の味を思い出し口の中に広がるような気がするのかもしれません。

 

人により思い描く情景はさまざまですね。

どうして大切なことは目にみえないのでしょうか。

自問自答をくりかえすほかに何ができるのでしょうか。

 

泣きながら生まれた私は

やはり泣きながら去るのでしょうか。

このたびの役目はひとまず終わります。

誰もが後からきた人に命のバトンを渡します。

 

たとえば永遠の命を授かるとしたら女性を選びますか。

それとも男性を選びますか。

 

私は痛いのは苦手ですが死ぬのは怖くないです。

いつの日か誰もが受けいれなければならない。

死ぬのはかまわない。

でも死んだように生きるのは申し訳ない。

死ぬ間際に人は何を後悔するのか。

やったことは後悔しない。

やっておけば良かったのにと後悔するそうです。

 

だから生きます。

毎日、私は一生懸命に生きて死んだように眠ります。

刹那の間に探究心と向上心を置き忘れないように。

 

夢があります。

人の数だけ夢があります。

ひとつの夢の終わりを待たずに新しい夢をみるかもしれません。

星が流れて新しい星がのぼります。

それは初めてみた星よりも大きく輝いているかもしれません。

その星を手にして満面の笑みを浮かべる日を夢みるかもしれません。

 

この世を去るまでにいくつの夢をみるのでしょうか。

夢の数だけ星を数えることができるのかもしれません。

いつか手に届く星を夢みるのかもしれません。

その星をつかむと大切な人への贈りものがひとつ増えますね。

 

夢がひとつならば星はいくつだろう。

 

 

Image:上野のハシビロコウさん(2013年)